こんにちは！2年のゆきです！
 
今回私が紹介するのは、年森瑛さんの小説『N/A』です。
 
主人公は、食事をすることを拒み、陰ながら同性と付き合っている女子中学生まどかです。
まどかは、周囲から拒食症やLGBTと言われながらも「かけがえのない他人」をみつけるために必死に生きています。
 
LGBTで拒食症の主人公の話。
そう聞くと、かわいそうな少女、いじめられている、認められない少女の話だろうと思いませんか？
 
それは私たちが、勝手にこのような単語から連想してしまうからです。
 
まどかは、実際には、学校では大の人気者で、自分のことを拒食症だともLGBTだとも思っていません。
 
こうしたわたしたちの使う安易なマイノリティ表現へのイメージやあり方に問題を見つけ、現代を生きるわたしたちの前に立つ壁が描かれています。
 
この本をまとめることはとても難しいですが、物語の中にはたしかに存在する「力」があります。
 
この本は私が選書ツアーで図書館に入れていただいたものです。
 
センシティブな話題を小説に扱っていますが、とても読みやすく、共感できるところも多いのではないかと思います。
 
文學界新人賞受賞作かつ堂々のデビュー作、ぜひ手に取っていただけると嬉しいです。✨

※LGBT表記は小説内より