from LS

『カルト』(さみ)

はじめまして。LS3年のさみです。
 
暑いですね。こんな暑い夏は、ホラー映画で納涼だ!
と、一口に「ホラー映画」といっても、各々が「面白い映画」に求めるものが違うように、「ホラー映画」に求めるものも違いますよね。
お化け屋敷のように、ド派手なビックリ演出を求める方もいれば、「何かいる」と感じさせるような、静かで嫌な雰囲気を求める方もいます。
私がホラー映画に求めるものは、やたらとキャラが濃い霊能力者が怪異と対峙し、そこから生まれるストーリー展開です。
いやいや、そんなの無いでしょう。と思われるかもしれませんが、あるんです。白石晃士ワールドには。
 
今回紹介する作品は、白石晃士監督の『カルト』です。
白石晃士監督は、フェイク・ドキュメンタリー(またはモキュメンタリー)と呼ばれる手法でホラー作品を多く制作しており、『カルト』もその1つです。
フェイク・ドキュメンタリーについて簡単に説明すると、“ドキュメンタリー風”に作ったフィクションドラマです。
 
本作は、とある家で撮影された心霊映像を観た3人の女性タレントが、その事件の解決に至るまで、撮影者家族と霊能力者に密着取材を行うところから物語が始まります。
そこから霊能力者が除霊を行うも、強力な怪異に対して、成す術無し。霊能力者の師匠も緊急参戦。しかし、怪異の脅威は止まらない。一体どうしたら……。というところで、前半が終了します。
 
そして、この作品を象徴する後半。
最強の霊能力者「NEO」が登場してからは、作品の雰囲気がガラッと変わります。
最強と言われるだけあって、このNEO、とんでもなく強いです。強いだけでなく、キャラも非常に濃い。そのキャラクター性ゆえに、作品ファンの間では、「NEO様」と呼ばれています。
「こんなキャラがいたら、ドキュメンタリーとしてダメじゃない?」と思うくらいですが、良いんです。フェイク・ドキュメンタリーですから。
 
このように『カルト』は、前半は不気味な雰囲気のホラー映画として、後半はNEO様の活躍を楽しむNEO様映画として、一度で二度楽しめる作品です。
洋画ホラーのような派手な演出はありませんが、低予算感が逆に不気味な雰囲気作りに一役買っています。
この作品を観て面白いと感じた方は、他の白石晃士監督のフェイク・ドキュメンタリー作品も楽しめると思うので、是非観てください。
 
本当は、白石晃士監督のフェイク・ドキュメンタリー作品を全て紹介したいくらいなのですが、成城大学図書館には『カルト』しか置いていないのが残念です。追加されると嬉しいですね。

『カルト』白石晃士監督・脚本 c2012年

請求記号:DV77b/SH82k
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