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『蜜蜂と遠雷』(ふっきー)

こんにちは!LS3年のふっきーです!
今回紹介するのは、知らない人はいないかもしれません、恩田陸の「蜜蜂と遠雷」です!
直木賞と本屋大賞をダブル受賞した作品ですね。
私見ですが、本屋大賞ノミネート作品は、文章が読みやすい印象があります。
その年に発行された本から選ばれるので、どれも大体分厚いハードカバーなんですが、気づいたらいつの間にか読み終わっているくらい。
例えば、2013年大賞受賞の「海賊と呼ばれた男」や2015年大賞受賞の「鹿の王」など、内容は難しいはずなのに文章が読みやすいから、スラスラ読めてしまうんです!
今回紹介する「蜜蜂と遠雷」もだいぶ分厚く、中も2段構成になっていて、読み始めるのに相当の覚悟がいりますが、さすがの恩田陸、一気に読めちゃいます!
 
さて、内容ですが、「蜜蜂と遠雷」は、ピアノコンクールの予選から本選まで全て描ききった作品です。
ただし、コンクールものでよくある、主人公がどんどん勝ち上がっていくというお話ではなく、4人のコンテスタントについて、それぞれの背景や演奏を描きながら進められます。
主人公を1人に絞らないから、一冊を通してコンクール全体を見渡せるんです。
そして、やはり一番すごいところは、音楽を全て文章で伝えているところ。
コンクールなのでたくさんの楽曲が登場するのですが、読んでいると、それぞれのコンテスタントによる演奏の特徴と、曲の雰囲気の違いがわかるんです。
作中で、課題曲として同じ曲が課される場面があるのですが、その弾き方の違いもちゃんと伝わってきます。
コンクールを最初から最後まで書いているので、登場人物や相関だけでなく、コンクールの仕組みや誰が何の曲を弾くかもすべて考えなくてはなりません。そのため、構想から書き始めるために5年掛かったとか。
ダブル受賞も納得ではありませんか?
そんな蜜蜂と遠雷、先日映画化もされました。
映画にする際に恩田さんが要求したことはただ一つ、前後編にしないこと、だったそうです。
映画化に先立って文庫化もされたので、本屋さんへ行くと平積みで置いてある姿を見かける方も多いと思います。
でもおすすめはハードカバーです。
ハードカバーの表紙をとると、下は真っ黒、ピアノの黒鍵の色なんですよ。
装丁も含めてぜひ楽しんでくださいね。

『蜜蜂と遠雷』

 恩田陸著 2016年
請求記号:913.6/O65m
登録番号:Y279917
バーコード番号:001516656U
配架場所:2F