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『名画を見る眼』(indigo)

こんにちは!indigoです!
積ん読していた難しい本が読めるようになっており感動する日々です!これだから読書はやめられない!

いまここに一枚の絵画がある。さあ、あなたは何を思いますか?
突然そのように問われると、多くの人が絵画の前で慌てふためくか、あるいは呆然と立ち尽くしてしまうだろう。というのも、ほとんどの人は絵画を見ることは出来ても、どのように見ればよいのかなど皆目知らないからだ。
この現状は、美術に興味こそあれど、美術に対して敷居の高さを感じさせたり、美術館への足を遠ざけさせる一因になっているだろう。

さて、今回紹介する『名画を見る眼』はそのような人に打って付けの美術入門書である。
本書の特筆すべき所は、なんと言っても具体的な作品に即したどのように絵画を見るのか、すなわち「名画を見る眼」とはなにかが解説されている点であろう。
本書は筆者の選んだ15の作品に対しての精緻な解説からなる。そしてさらに、本書を精読すればこれら15の作品は実に注意深く選択されていることが分かる。それは単なる題材では無く、それら作品を解説することによって美術史や主題、アトリビュートといった美術を学ぼうと思えば避けては通れぬ事項に触れられるように計算されているのだ。
したがって本書を読み、15の作品についての解説を咀嚼すれば、その他の多様な作品への扉が開けるのである。

本書はルネサンスから19世紀までの絵画作品で一応のピリオドが打たれているが、同じ岩波新書から続編も出版されている。
続編は本書には収められていない近代絵画の解説がなされており、これまた一読の価値がある。
また、本書の著者、高階秀爾は日本(いや、世界)を代表する美術史家として知られており、一般読者を対象とした美術の啓蒙書も多く著している。本書はそれら書籍への第一歩としてもおすすめだ。
いまここに一冊の本がある。名は『名画を見る眼』という。

さあ、手に取り読んでみませんか?

『名画を見る眼』

高階秀爾著 1969年
 
請求記号:723/TA54/(S) 
登録番号:A61430
バーコード番号:000526683U
配架場所:新書コーナー(1F)