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『日本怪奇小説傑作集』(大窟)

こんにちは!LS1年の大窟です。
 
まだ梅雨入り前にもかかわらず、全国的に暑い日が続いていますね!
そこで今回は、暑いときにピッタリな怖~いお話などをまとめた作品集『日本怪奇小説傑作集 1』(紀田順一郎・東雅夫 編)を紹介したいと思います。
 
この作品集は全3巻の構成になっていて、第1巻は小泉八雲から始まり、泉鏡花、夏目漱石、森鴎外、芥川龍之介、谷崎潤一郎など明治以降の作家達による個性的な短編怪奇・幻想小説17篇が収録されています。
特に私の印象に残っているのが17篇の最初の話、小泉八雲の『茶碗の中』です。
舞台は江戸時代、大名家の侍である関内が、自分の茶碗の中に見知らぬ男の姿が映っているのに気付くと、その夜から茶碗に映った男幽霊につきまとわれてしまう…というのがこのお話のあらすじなのですが、この短編では結末がはっきりと書かれないまま、作者の後書きによってお話の幕を閉じます。私は、こうした読後に残る不可解さ・不安感が怪奇小説の大きな魅力だと思います。
 
この『茶碗の中』の他、どのお話も、短い中に作者の個性が表れている上、読み始めた途端にその怪奇の世界に引き込まれるようで、現実では中々体験できない恐怖や非日常に浸ることができます。
 
短編集なので、普段忙しくて読書時間があまり持てない人にもおすすめの一冊です。
是非、文豪たちによる幻想的な怪奇の表現を味わってみてください!

『日本怪奇小説傑作集 1』

紀田順一郎, 東雅夫編 2005年
 
請求記号:918.6/N77t/1
登録番号:Y136194
バーコード番号:000759216U
配架場所:2F