from LS

『そして誰もいなくなった』(中村)

はじめまして!LS1年の中村です。
成城の大学生にはあまり縁のなかったGWが明け、暑い日も増えてきました。しかし、気持ちの良い日ばかりではなく、ジメジメした空気で疲れを感じる人も多いのではないでしょうか。小説を読んでちょっと休憩しませんか?

私が今回おすすめするのは、アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』です。
有名な作品なのでタイトルを聞いたことがある人は多いと思いますが、意外と読んだことがないという人もいるのではないでしょうか。

イギリスのデヴォン州にある離島に招かれた年齢も職業も異なる、お互いに面識のない8人の男女。招待状を出したこの島の主・U.N.オーエン夫妻は島におらず、招待状は偽のものであることが判明します。不穏な雰囲気の晩餐で、突如謎の声が彼らの過去の罪を告発していきますが、どれも事故とも故意とも言えないものばかり。しかし、謎の声はこれらの罪を殺人であると言います。
マザーグースの詩になぞらえて1人、また1人と殺されていくゲスト達。死人が出るたびに広間に飾られたインディアン人形が減っていきます。生存者たちは疑心暗鬼に陥り、犯人探しを始めます。
この悪趣味な殺人を仕組んだU.N.オーエンは一体誰なのか?

アガサ・クリスティというと、「灰色の脳細胞」でおなじみのエルキュール・ポアロやミス・マープルなど、個性的な探偵たちの印象が強いですが、『そして誰もいなくなった』には探偵は一切登場しません。心強い彼らが登場しない緊迫感を味わえると思います。
ミステリーの女王が描く見立て殺人、クローズド・サークルの要素を取り入れた不朽の名作です!
また、ドラマやオマージュ作品も沢山あるので、ぜひそちらも併せてチェックしてみてください。

『そして誰もいなくなった』(ハヤカワ文庫;6789 . クリスティー文庫;80)

アガサ・クリスティー著 ; 青木久惠訳 2010年
 
請求記号:933.7/C58a
登録番号:Y302460
バーコード番号:001614206K
配架場所:文庫コーナー(1F)