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『「自分」の壁』(ちえみ)

こんにちは!LS2年のちえみです。

今回紹介するのは養老孟司の『「自分」の壁』という本です。
『バカの壁』が有名な養老先生ですが、この『「自分」の壁』は「養老先生が最近思っていること」について書かれています。自分とは何か、エネルギー問題とどのように付き合っていくか、などなど。解剖学者として日々多くの生き物と接している養老先生ならではの考えや、社会の見方を教えてくれます。まるで養老先生の頭の中をのぞいているような一冊です。
 
私が好きな部分を紹介します。例えば、「個性」の話をしている部分ではこう述べています。
 
  周囲がお膳立てをして発揮させたり、伸ばしたりするたぐいのものではありません。むしろ周囲が押さえつけにかかっても、それでもその人に残っているものこそが個性なのです。
 
現代社会では人と違うところや、個性的な一面を育てることが大切だと言われます。しかし個性とはそもそも全員が持っているものであり、探すようなものではないと言います。日本人である私たちが欧米式の考えに影響されていることに慎重になって考える必要があるのだとハッとさせられます。

 他にも日常的な些細なことから仕事との付き合い方、さらには社会問題まで、生きていくうえでのヒントを与えてくれます。さらに改めて考えると私たちの考えていることは不思議なことばかりだと気づかされます。私も読んでいて「確かに…」と何度もつぶやいてしまいました。私的「確かに…ポイント」は自分の書いた文章や作り出したものを排泄物だと表現する人がいるという話です。確かに自分で書いた文章や作ったものは見るのが少し恥ずかしい感じがしてしまうものです。それが頭の中にあるときには素晴らしいものに思えても、一度自分の外に出てしまえばそれは排泄物となって見たくないようなものとなってしまいます。確かに…でした。普段抱えるモヤモヤが少しすっきりしました。
 
自信とはどのように育てていくものなのか、また将来のことなどについて考える機会の多い大学生のいま読むことで、自分はどうありたいのか、社会とは何なのか、考えるきっかけになると良いなと思います。きっと心に残る一文が見つかるはず。
 
是非手に取ってみてください。

『「自分」の壁』

養老孟司著 2014年

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